3. ビオデナミ(自然派ワイン)にこだわるのは最良のワインを作る為の一つの手段
ベンハミンは、アラベサのサン・ビセンテ・デ・ラ・ソンシエラ、ブリオネス、ラバスティダに、トータル約35ha、62のブドウ畑を所有しています。(2010年現在) いずれも彼の審美眼にかなったものばかりですが、特にサン・ビセンテ・デ・ラ・ソンシエラ城の対岸にある、エブロ川の畔の畑「ラ・リンデ」のテロワールは最高で、彼が最も大切にしている畑の1つです。 父親アンドレス・ロメオが植樹し、手塩にかけて育て上げたもので、ここから穫れるテンプラニーリョのみで 「ラ・ビーニャ・デ・アンドレス・ロメオ」が醸造されます。 一方「コンタドール」は、その年の『最高中の最高』のブドウだけで造られます。「コンタドール」で使う葡萄畑やクパージュ(ブレンド)比率が、毎年変化するのはこのためです。 ◆アンドレスの葡萄畑…父から継承した大切な畑 畑の名は「ラ・リンデ(La Linde)」。ベンハミン・ロメオの父アンドレス・ロメオが植樹した畑で、エブロ川が大きく蛇行する場所に位置し、ちょうどサン・ビセンテ・デ・ラ・ソンシエラ城の川を挟んで真向かいにあります。3.5haの畑は、養分に乏しい痩せた土壌で、上面は粘土質、その下は石灰質の地層から形成されています。エブロ川の傾瀉から生じた豊富な丸石によって、排水性はこの上なく良好です。栽培品種はテンプラニーリョのみです。 親子2代にわたって心血を注いできた樹齢40~60年の樹々は、「※ビオ・ディナミ(bio dinamica=バイオ・ダイナミック)」で栽培されており、畑の一画には、ベンハミン手作りのたい肥がうず高く積まれています。この畑のブドウの樹1本つき、「ラ・ビーニャ・デ・アンドレス・ロメオ」が、1本しかつくられません。 ◆ブリオネス村の葡萄畑…ベンハミンのお宝畑
サン・ビセンテ・デ・ラ・ソンシエラ村の隣村『ブリオネス』にも、ベンハミンの畑がいくつもあります。中でも1世紀以上も前に植樹され、100年以上の古木だけで形成される畑には、テンプラニーリョ ・ ガルナッチャ ・ ガルナッチャブランカ ・ ビウラ ・ マルバシアなどの、リオハの固有品種だけが「混植」されています。こういった小さめの混植スタイルの畑は、今ではほとんど見られなくなりました。 昔は、それぞれの農家が土地を最大限に活かすため、小区画の畑に葡萄を混植し栽培するのが当たり前でした。しかし、ここ数十年で畑の転売が繰り返された結果、その多くが大区画の単植畑に姿を変えてしまったからです。 100年の古木が混植されている畑は、こじんまりしていますが「こういう古い畑はしっかりと手入れをすることで、本来持っている畑の力が出てきて、ブドウの一粒一粒が凝縮され、僕のワインに素晴らしいポテンシャルを発揮してくれるんだ。」とベンハミン、彼の大切なお宝畑です。 ◆ムルムロンの畑…エブロ川のささやきが聞こえる畑
ムルムロンを訳すと「(水の)ささやき」といった意味になるでしょうか。サラサラという水音を聞きながらブドウが育つほど、ごく至近距離にエブロ川がゆったりと流れます。ちょっぴりロマンチックな河畔の畑。緩やかな斜面になっているこの畑には、下面に樹齢3年の若いマスエロとグラシアーノが植えられており、ベンハミンは、ワインを長持ちさせる(酸味をつける)ためのクパージュ(ブレンド)として、将来用いる予定だとのこと。 これらの品種の酸度は、ほか固有種よりも若干強く、ほんの少しブレンドすることによって、ワインにアクセントを効かせたり、味を引き締めたりすることも可能になるのです。ムルムロンの上面には、樹齢60年のテンプラニーリョとビウラが栽培されています。 ベンハミンは、99%のブドウを「※バソ式(酒杯型)」で栽培していますが、この剪定法だからこそ、東西南北それぞれの方角を向いたブドウ1粒1粒の味わいを、より総合的に深淵にワインに反映できるのだといいます。 ◆ボンボンの畑…テンプラニーリョの畑
ボンボンとは、いわゆるチョコレートボンボンのことですが、この名は、この一画だけにしかないボンボン型の休憩小屋(スペイン語ではチョソ=Chozoと いう)に由来しています。リオハの典型的なチョソは「縦長のかまくら」なのですが、ボンボンは可愛らしい「円形のかまくら」です。 チョソはその昔から、畑仕事の家畜を繋いでおいたり、突然の雨・風を避けたりと、さまざまに活用されてきましたが、リオハ・アラベサの農民は、このボンボンに特に愛着を感じているようで、今でも大事に保存されつつ、現役で使用されています。 ボンボンの畑は小石が多く、ミネラル分が多いため、有機農法で大切に育てられたブドウは微生物の働きにより、より複雑なアロマまでを取り込んでくれます。 ここには、コンタドール用の樹齢80年以上の樹、とプレディカドール用の樹齢45年のテンプラニーリョの樹があり、ベンハミンにとっても特別な思い入れのある、格別の畑です。 ◆傾斜地にある樹齢100年以上の古木の畑 「エノジェカノの畑」と言い、この畑も1世紀以上前から農家がつくっていた畑です。やはり混植で、テンプラニーリョとガルナッチャ・ブランカ、ビウラがあります。 主に赤はコンタドールの畑として使用され、白はケボニートカカレアバ用として使用されます。それこそ、庭木にしたら良いだろう、という100年以上の巨木が生えてますが、それらの巨木でも、1本につき3房以下の葡萄しか付けさせず、他の房は剪定をしてしまうという徹底ぶりです。 ベンハミンは60以上の畑を持っています。「葡萄を栽培し収穫するなら、大きい畑に集約した方が効率が良いと思うけど、なぜたくさんの小さい畑でブドウを作るのか?」という質問をしたときのこと。。。彼はしばらく考えてから、、、「僕はワインになるべく複雑な味わいを出したいんだ。葡萄一つをとっても、太陽の当り方・地形・地質によって、畑の回りの草花の香りも違う、これら全てを僕のワインに入れたいのさ。」 彼の畑は、一つとして同じような地形の畑がありません。収穫するにも、それこそ急斜面を登って行かなければならないようなところや、急斜面を下りていかなければならないところ、など様々です。「これらのところでできる最高の葡萄を、完璧な状態で発酵熟成するのが僕のワインの作り方なのさ。」 |
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