たとえばイタリアに行ってイタリア料理を食べたとき、やっぱり本場の味はちょっと違うわと思うように、日本の外国料理は日本人の口に合うように作られていることが多いものです。
今回作ってみたのはスペイン料理。参考にしたレシピ本は、シンガポールの出版社が発刊しているもので、料理家もシンガポールの方。その本の購入場所はインドネシアの書店。マレーシアを含めた東南アジアで流通している本のようです。
お肉はソミュール液に一晩浸けてからローストしただけですが、添えた調味ボール(?)(写真3枚目)が日本では食べたことのない味です。
材料はタマネギとニンニクとパセリ、それにドライいちじくとタプナードとアーモンド。パン粉と卵黄、レモン汁とオリーブオイル加えて練り混ぜ、ボールにしてフライパンで蒸し焼きにしたもの。
レシピ本を読んだだけでは味の予想がつかなかったのですが、オレンジピールのような甘みと若干の苦みと酸味、それに香ばしさが加わってかなりエキゾチック。
ブルマはとても柔らかい部位。ソミュール液でつけた味だけでも充分すぎるおいしさ。
しなやかな食感で口当たりが極めてよく、むしろ「喉ごしがよい」と表現したくなるくらい、すいすいといくらでも食べられてしまいます。
調味ボールはナイフで切るとやや砕ける感じになりますが、お肉にのせて食べるととても素敵なアクセント。
日本の味とも、そして本場の味とも異なるのだろう南国仕様のスペイン料理です。
食べたことのないエキゾチックな味だけにインパクトは強いのですが、それに決して負けずにお肉の味がきちんと立つのはやはりイベリコ豚。
新しいお料理に挑戦するときにも、味の保証をしてくれるお肉です。
◎作り方
【お肉をローストする】
・前日にお肉をソミュール液に浸けます。ソミュール液の材料は、塩・砂糖・ローリエ・パセリの軸・タイム・白ワイン・水。分量はすみません適当です…。
・当日、お肉を室温に戻し、キッチンペーパーで水気を拭き取ります。オリーブオイル少々を引いたフライパンで、表裏をさっと焼き付けます。
・ダッチオーブンに入れてロースト。今回は、あらかじめ火を通したじゃがいもの輪切りを天板に敷き、その上にお肉をのせました。うちのダッチオーブンはグリルにセットできるタイプで、10分間火を入れてから、そのままグリルの中で10分間お休み。少し火が通り過ぎた感があり、10分間火を入れたらグリルの外に出して休ませればよかったかも。ローストはもちろん普通のオーブンでも大丈夫です。
【ボールを作る】
・タマネギ半個とニンニク一片はみじんぎり。ドライいちじく2個とアーモンド(塩のついていないもの)8粒くらいとパセリ(イタリアンパセリを使用)的調は粗みじん。パン粉は色付く程度に炒っておきます。
・上記の材料と、タプナード大さじ1強、卵黄1個分、レモン汁大さじ1/2を混ぜ合わせ、塩コショウで調味。小さめのボールにまとめます。
・オリーブオイルを引いたフライパンで周囲を焼きかため、蓋をして中まで火を通します。最後に蓋を取って転がしながら焼き、まわりをカリッとさせます。
【サーブ】
・お肉を切り分け、じゃがいも、ボールとともに盛り合わせます。