ルリカケスラムとカサルバ ハモンセラーノ
国産ラムのトロピカルな酔い心地
黒糖焼酎の産地で知られる奄美諸島徳之島。島の全耕地面積の66%がサトウキビ畑の島である。 サトウキビから黒糖が作られ、黒糖焼酎が作られるのだが、サトウキビ原料の酒は他にもある。
ラムである。ラムはキューバやジャマイカなど中米原産の酒。それがこの徳之島にもあったのだ。 3回の蒸留を行い、オーク樽で短期熟成したのち、島の水で加水、アルコールを40℃に整えて完成するのが『ルリカケスラム』だ。
焼酎との大きな違いは麹を使用しないことである。このルリカケス、所詮日本のラムだとみくびってはいけない。美味いのである。
カラメルのような甘さ、ナッツのような香り。オーク樽熟成の味と香りがはっきり出ている。 マイルドな舌触りと、長い余韻。薄い琥珀色が美しいゴールドラムである。
このラムとあわせて、極上の生ハムをいただこう。
手に入れたのはスペインの名門、カサルバ社のハモンセラーノ。白豚の後ろ脚を丁寧に塩漬けしたあと、標高1100mのブルゴス高原の自然な風を入れながら、低温でじっくり24カ月熟成させた逸品。
これをできればブロックで買い、自分で切るのがいい。厚く切ってしまっても、それがいいのである。贅沢に豪快にかぶりつけば、サラリとした繊維の舌触り。噛むほどに出るコクと旨み。国産ラムとスペインの生ハム。人生初の組み合わせだろうが、最高の夜を保証しよう。 |